ソフトウェア特許

一太郎」に特許侵害ありとの判決がでた。控訴されるようで確定ではないものの、

いったん勝訴というお墨付きを得られれば、後は各社にライセンス契約を申し入れるだけでいい。リスク管理に敏感なメーカーであれば、これを受け入れる可能性は十分にある。普通なら8年で償却され、紙くず同然となる休眠特許が小銭を生み続けてくれる。知財部門のお手柄というわけだ。  国を挙げてプロ・パテントのかけ声がかかる中、各社は休眠特許の“虫干し”を進めている。同種の訴訟が減ることはなさそうだ。

ということらしい。


問題となっている技術はどうやら「説明用のボタンを押してから他のボタンを押すとそのボタンの説明が出る」という機能らしい。しかし特許の文章というのは読みにくいものだ、解説されたものを読んで初めて自分にも意味がわかった。そのことだけでもわかりにくいが、裁判での主な争点は「ボタンがアイコンかどうか」というからもっとわかりにくい。ここが争点となる理由は同様の裁判が「ジャストホーム2」というソフトに対しても行われ、そちらは特許侵害なしとの判決がでているかららしい。曰く「アイコン」というのは「絵」や「絵文字」であって単なる「?」だと記号だから「アイコン」ではなく云々…。何か本質的な議論であるようには思えず、非常にどうでもいい感じをうける。だって技術のキモはそれが絵文字かどうかで変わるものじゃないでしょう…。

そういう意味で松下側の勝訴は当たり前であるとも思えるが、一方で当たり前のはずの判決が割れたりしうるという(裁判機構込での)ソフトウェア特許というものの孕む問題と、そのような問題を孕む権利を無邪気に行使できる状況の危険性にも思い至る。

個人的にはこの機能が一切のソフトから無くなったとしても痛くない、たぶん。ヘルプの効力でいえば、チュートリアルやQ&Aの充実の方がありがたく感じるし…。真に創造的で汎用性に富む技術であればあるほど、その抱えこみは痛い。アップルあたりがこれからはちょっと怖い。