Ghost is the shell.

入浴時などは特に顕著なのだけれども、頭の中に1つだけ自動的に考えが浮かんでくることが不思議に感じる。ゲシュタルトではなく、リニアっていうか。
考えようとしなくても考えている、というのも不思議だし、考えが出てくる過程が全くなく、いきなり1つの流れとしてでてくるのも不思議。1つの思考の流れとしてまとまって出てくる過程では、何かのサブシステムが相互作用したり協調動作したり、あるいはkillしあって生き残った1つだけが表にでてきてるのかもしれないけれども、基本的にそういうのは知覚できたような記憶がない。
今自分が何かを考えている/いた、というのは知覚できて(たぶん"考えた"という記憶から)、そこから思考の流れを追いかけて、思考の生まれる源流、までは知覚できてもそれ以前にはどうにも辿れない。正に思考がポコポコ生まれる瞬間(か、たぶんその直後)を知覚しながら、頭の中の暗闇の中から突然現れる流れの前に立ち尽くしながら、不思議だなあ、と思う。
思考を止めておく、0個のストリーム状態になるのが比較的簡単で、十数秒ぐらいはすぐにできるのに対して、複数の思考を同時に行うことは難しい。1秒も持たない、というか1単語、数音節以内に失敗する。意味が取れなくなる。視覚的に、複数行同時にイメージとかも上手くいかない。読むときには複数行同時入力とか、結構できてるように思えるのだけれど。なので、村上直樹とか夜神月とか、えーとあと今だとルルーシュ ランペルージとか、羨ましい。尤もそうなってみたら「なんだスイッチング速いだけか」とか思うかもしれない、が。リアルでそういう事ができるという人には会ったことがない、というかそういう話題にはなかなか至りませんよ。いきなりそう自称されても「邪気眼?」という反応かも知れますまいし。ナントカ並列思考法、とか如何わしげな通信教材が意外と有名だったりしそうな気もする。
外界の記憶が無いことから、寝ている間は外部からの情報は"自分"に届いていない、遮断されていると判断するとして、これを"単純に"援用すると、寝ている間は内部からのリニアな自動的な思考の流れも"自分"には届いておらず遮断されている、と言えよう。外部からも内部からも情報はどんどん来てるのに、ただ伝達されないだけ――だとして、じゃあ、その間、何をやってるんだ、"自分"は?思考すらしていないのに?
このモデルだと"自分"は外部と内部の間に在って、Ghost in the shellというよりGhostは殻そのもの。人殻。
どんどん二元論?でも外部記憶も内部記憶もない半透膜、厚みのない表面積、そういう自我のイメージが、何か、しっくり来る。