自己言及性愛好者日記 5

残念なことに、と言ったものかどうか、自己言及性に自己言及性という名前をつけて呼ぶことは自己言及的ではない。たぶん。自己言及的なものは、自己言及的ではない、そこからちょっと、その、右上ぐらいにあるようなもの。
他己言及性?タコ言及性。タコ壷化。
だから、自己言及性愛好者が自己言及を愛好することなんかありえない。もちろん、ありえないことは、ありえる。


自己言及の名を冠した本が、そんなに自己言及的ではないことも、よくあるようだ。というか、自己言及性愛好者の目からは、これはちょっと、という。自己言及のことを書くことは、自己言及的であることから逃れられない。しかしながら自己言及的と評されざるを得ないもので在るが故に、自己言及の右上に行ってしまう。
自己言及の極みのようなものを感じる本が、表題としては自己言及と関係なかったりするのは、当たり前のことなの、かも。