減るの増えるの私的録音録画補償金

私的録音録画補償金というのはざっくりと言えば各メディアの値段自体に含まれる著作権者に払われるお金のこと。http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/gov/meti20050425.htmlがわかりやすい。この記事の続編として以下のインタビューが公開された。

私的録音録画補償金制度は“縮小・廃止”で検討する―経済産業省・政策企画官の藤原 豊 氏に聞く(下)
http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/gov/meti20050427.html

技術的保護手段の導入によって,「権利者側が著作物に複製防止技術を講じていれば,私的なコピーであっても,これを改ざん・除去した場合は著作権侵害に該当する」ことになった。言い換えれば,「技術的保護手段が講じられている否か」,「その程度がどれだけであるか」によって,デジタル・コンテンツに関しても「私的複製の範囲」が決められることになったのである。

あたりが気になるところ、"縮小・廃止"の理由の部分であろう。「私的録音録画補償制度」が定められた著作権法一部改正が1993年、「技術的保護手段」という概念が導入された著作権法改正が1999年だから、個人的には結構速いスパンで変化が捉えられているのかな、という気がする。

一方でむしろ補償制度の範囲を拡張しようという動きもあるようだ。

ITmedia ライフスタイル:「iPodからも金を取れ」――私的録音補償金で権利者団体が意見書 (1/2)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/28/news097.html

その主張は「HDDプレーヤーはもちろん、PC内蔵のHDDも対象に含めるべき」という、前々からよく言ってきたものを踏襲したような感じ。意見書そのものが見たいけれど、まだ見当たらないので待ち。

意見書を連名で提出したのは日本音楽著作権協会日本芸能実演家団体協議会日本レコード協会日本音楽事業者協会音楽出版社協会、音楽製作者連盟、音楽作家団体協議会。

日本記録メディア工業会とJEITAの意見の相違が鮮明になった形らしい。
http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/img/image_1.gifの右上と左下の対角線上の争い。
気になるのは、ちょっと対角線からずれたヒトの発言。

委員会の席上で私的録音補償金管理協会(SARAH)が「配分すべき金額が小さく、(連絡用のハガキ代や振り込み費用を考えると)分配するだけで赤字になってしてしまうこともあり、死文化している側面は否めない」と発言、制度の目的自体が果たされていないことも明らかにされた。

えーっと…。どういうことですか?